癌とともに生きる時代

先日、国立ガン研究センターが、

癌の10年生存率が59.4%と発表しました。

毎年発表されています。

もちろん色々な癌の平均で、

前立腺癌の98.7%から小細胞肺癌の11.7%まで差があります。

しかし、僕が医師になりたての頃、働いていた奈良県立医療大学の呼吸器内科では、

手術不能はステージ3Bからステージ4の方の抗がん剤治療で

半年の生存率はありませんでした。


それからも生存率の改善はあまりありませんでした。

しかし、最近の10年で急速に進歩しました。


覚えておられる方もいるかもしれませんが、

イレッサという抗がん剤が出始めてから、

患者さんの遺伝子に合う治療、

いわゆるオーダーメイド治療が始まりました。


以降の肺癌、乳癌などの治療には、

驚くばかりの進歩をして、生存率も改善しました。


ひと昔前は、働き盛りの方が癌になったら、

仕事を辞めて癌治療に専念することもよく耳にしました。

しかし、治療の進歩で、大学病院の化学療法室で、

午前中に抗がん剤の治療を受け、昼から出勤するという、

仕事と癌治療の両立できる時代となりました。

それに合わせ、法整備も進み、

企業も社員の治療をバックアップしなければいけないようになり、

今は、癌になっても癌と生きる時代にもなりました。


うねび内科クリニックの患者さんにも、

癌が見つかり、手術や抗がん剤治療を受け、

今もクリニックに通われる方もたくさんおられます。


しかも、一人の方がひとつの癌を完治して、

また別の癌治療をされている方もおられます。

3個目の癌、4個目の癌の治療を前向きに受けておられる方もいます。


人生の先輩でもある患者さんから教えられることが、僕の胸に響きます。

研修医の頃、新米医師の僕に励ましの言葉をかけて、

後に肺ガンで亡くなっていった人生の先輩でもある患者さんの、

期待に応えられる医師でありたいと思っています。